【悲報】大学の学費をパチスロで溶かして中退

ホームラン級の馬鹿


友人に誘われた初パチスロで勝利し、すっかり病みつきに
大学入学から2か月ほど経ったある日、同じ学部の友人に『パチスロ打ちに行かない』って誘われたのがすべての始まりでした。『ジャグラー』って機種だったんですけど、3000円くらい使ったところでボーナス確定のランプが光り、そこから5連チャン。それ以降も大ハマりすることなくボーナスをコンスタントに引き続け、3万5000円勝ったんです。ビギナーズラックだったと思いますが、あれですっかりのめり込んでしまった。気づけばヒマさえあればホールに通うようになっていました」

 それでもしばらくは勝ったり負けたりを繰り返し、月間トータルでプラスになる月も何度かあり、マイナスでも大きく負けが込むことはなかったとか。仕送りとバイト代の半分以上を持っていかれる月はあったが、なんとか生活は維持できていた。

慢性的な金欠に陥る
 ところが、2年生になってから以前よりも勝てなくなり、仕送りが振り込まれた当日に全額パチスロでスッてしまうことも。その結果、慢性的な金欠に陥り、大学の友人たちからお金を借りることも一度や二度ではなかった。

それまではずっと『ジャグラー』って機種で遊んでいたのですが、打つ台を変えたんです。ちなみに一番好きだったのは『吉宗』っていう台。とにかく出玉の波が荒くて、一度の連ちゃんで10万円や20万円勝つこともあるんですがハマリも超深くて、1日10万円以上負けることも普通にあるんです。けど、打ち始めて間もないころに30万円近い大勝ちをしたことがあって、それからはこの機種ばかり打ってました

親にウソをついてお金を振り込んでもらう
 しかし、小島さんか当時使えたお金は、親からの仕送りとバイト代を合わせて月13~15万円。1回の大負けで軍資金が底つき、困った彼は「自動車の教習所に通いたい」と親にウソをついて30万円のお金を振り込んでもらう。ただし、そのお金も半月と経たないうちに使い切ってしまったそうだ。

「このころになると講義にはまったく出なくなり、たまに大学に行っても学食でご飯を食べる程度。明日はここのホールがイベントデーだから開店前から行って並ぼうとかそんなことばかり考えてました。パチスロをやめるなんてことは微塵も考えらず、依存症に近い状態だったんだと思います」

 負けが続いてもパチスロが打ちたくて仕方ない彼は、再びまとまった軍資金を手に入れようと目を付けたのは大学の学費。40数万円の後期納入分の学費を「こっちで払っておくから」と母親に伝え、自身の口座に振り込んでもらうことに成功する。これを使い込めば学費未納となるわけだが、「勝てば問題ない」とまったく意に介さなかった。

学費や教習所代を溶かして絶望
「今ならおかしいってわかりますが、あのときはもう冷静に判断できない状態でした。すぐに全額なくなったりはしませんでしたけど、それでも3週間が過ぎるころにきれいさっぱり溶かしていました。で、ここで現実に戻るわけです。どうしよう……って」

 学費を用意できるアテがあるわけもなく、納入期限が過ぎて実家に大学から督促状が届いてジ・エンド。親から厳しい追求に遭い、学費だけでなく教習所代もパチスロで使い込んだことを自白する。

「実家からすぐに両親がすっ飛んできて、会うなり父親にいきなりぶん殴られました。母親は『情けない……』とずっと泣いていました。ウチはどこにでもあるごく平凡な中流家庭で決して裕福ではありません。仕送りや学費だって父親の給料だけでは苦しいから母親がパートに出て、なんとか用意してくれていたのに……。そのとき自分がとんでもない親不孝者だと初めて気がつきました」

実家に連れ戻され、働きながら使い込んだお金を親に返すことに
 その後、小島さんは実家に連れ戻されて大学は中退。父親の友人が経営している今の会社に強制的に入社させられ、給料はすべて両親が管理。使い込んだ学費と教習所代はそこから分割で親に返済していたという。

 自分が自由に使えるのは月に3万円だけ。そんな生活が5年ほど続いたそうだ。

「実家に戻ったばかりのころはホールに打ちに行けないストレスで頭がおかしくなりそうでしたが、それでも我慢しているうちに少しずつパチスロを打ちたいという気持ちも失せていきました。実際、大学を辞めてからはパチスロを含め、ギャンブルは今に至るまで一切やっていません」

 20代後半で結婚し、現在は2人の娘を持つよき父親。妻は彼が大学時代にパチスロが原因で中退したことは知っており、家計はすべて彼女に管理してもらっている。独身時代よりも少ない月2万5000円の小遣いしかないが「不満はない」と話す。

「外に飲みに行くこともほとんどないし、お金を使うことがあまりないんですよ。昔ならホールでアッという間に使っていた金額ですが、今はお金のありがたみが身に染みてわかってるので(苦笑)」

 ギリギリのところで身を滅ぼすことにならなかったのは不幸中の幸いだが、彼にとっては高すぎる授業料となってしまったようだ。

<取材・文/トシタカマサ>

https://news.yahoo.co.jp/articles/b8806bde5c790ec526c6e7d45135fd03f8d7da9a

ツイッターでの反応

管理人コメント(無表情)
ビギナーズラックで溺れる典型例ですね。